心を開いて

2008.06.04(Wed)




がらりと前回の日記とテンションを変えて。。。





この時期。
とりわけ、6月3日、4日あたりになると、
毎年物悲しい気分に陥る。
嗚呼、また今年もこの季節が巡ってきたなぁと、
今年も恒例のように思い返している。



去年も日記に書こうとしたのに、想いが溢れすぎて
結局最後まで書ききれなかった。
文章の下書きだけがまだケイタイの中に中途半端に残っている。
そのまま、1年間もあたためてしまった。



また書ききれなくなると困るので、
今回は初めから、簡潔に記そうと思った。






この時期になると、毎年欠かさず同じ気持ちが蘇る。
その気持ちと共に浮かび上がるのは、このメロディだった。




『心を開いて』





6月3日
昨日は私の仲良しの友達の命日でした。


同じマンションに住んでいて、クラスは違ったけれど、
マンションの下で、私達は当時流行っていたローラーブレードや
一輪車に乗って遊んだり、一緒に鉄棒で空中逆上がりの練習をしたり、
バレーボールをしたりしていました。


亡くなる1ヶ月前ぐらいから、かなり恋バナやら暴露話で
親密になり。。。。。日が暮れるまで外で話していたな。
まだまだ話し足りないから、今度また喋ろう!
いつ話す??なんて約束も宙ぶらりんのまま、
季節はひとまわりもしてしまって、
私はあの頃のあなたよりも2倍も歳をとってしまった。
だけど何も変化のないまま、あの頃想像がつかなかった大人っていう
モノにも案外あっさりとなってしまい、
私は相変わらずあのときのままで、この街からも出ずにいるまま。



この12年、いろーんなことがあった。。。。はず。
あなたが経験できなかったこと、たくさんしてきたはず。
だけどこの時期になると、その数えきれない「いろんなこと」は
まったく無意味なものになる。


今でも鮮明にあのときのことを思い出せるから。





少し前、うちのトイレが故障したとき、
夜な夜なトイレを借りに行った。
お互いお風呂上がりみたいな格好をして^^;
「明日の朝は学校でしま~す^^;」なんて言う私に、
あなたもお母さんも、「朝もうちに来ていいから!!」
なんて言ってくれた。
22時を回っていたので、そそくさを帰ろうとしたら、
「えー!もう帰っちゃうの??喋ろうよ!!
新しいクラスはどう?好きな子とかできた??」
なんて話しかけてきた。
あまりゆっくりも話さず、帰ってきてしまったけれど。




中学に入学したばっかりで、新品な制服を着て、
いつも4人で一緒に学校に行ったよね。
いつもは言いすぎか。。。。。
私が待たせすぎていたから、たまにしか一緒にいけなかったね^^;
待たせすぎて、ごめんね。
わざわざ迎えにきてくれたのに、
いっぱい喋りたいことがあるから、みんなが来る前に迎えに行くわ!
って約束して、来てくれたのに、約束守れなくてほんとごめんね。



だけど、最後の日は一緒に学校行ったよね。
手作りのびっくり箱で、慌てて家のドアを開けたあたしを
出迎えてくれて、びっくりして絶叫したあたしをみて、
みんなで大爆笑してたね。
「ひっかかったひっかかった!!」
って、あなたは得意げだった。


やっと4人で揃って学校行けるーーーーー!!!
遅刻常習犯だったあたしは、安堵のため息を漏らした。
そしたら肝心のあなたが、「あ。忘れ物した。先行ってて!」
って、戻っていってしまった。


あのとき、遅刻してでも、一緒についていけばよかった。。。
これが最後の会話になるなんてまさか思わなかったんだもん。。。






だけど、神様は最後に一目、あなたに会わせてくれた。
その次の日、私がコンビニから出ようとすると、
道路の向こう側で元気良く遊んでいるあなたやその仲間たちの姿があった。
みんな私に気付いてなかったけれど、
あなただけは私に気付いて遠くから手を振ってくれたんだよね。





その翌日。







信じられなかった。あまりにも突然すぎて。
お腹が痛いから学校を休むって聞いてたから3人で学校に行ったのに、
なんで全校集会であなたの名前を出されるんだい??



亡くなったって、、、、、、、なに??





わけわかんないけど、頭を除夜の鐘つきでゴーーーーンと
ぶたれたような振動がして、クラクラした。
うまく立てなかった。
立ち上がっても、めまいが起きそうで。
黙祷を捧げることになった。

なんで??
何しちゃってんの??


ふざけてんのかなー?と、笑えてきてしまった。
ふざけてんのは私の方だ。





頭痛と、心の底にずとーんと沈んだ重い固まりみたいなのと耳鳴りは一日中やまなかった。
そうか。。。。これが人生初の欝だったんだ。
仲良しの友達が亡くなったのに、涙も出ないなんて。
まったく浮き上がることの知らない気持ちと体がうまくリンクしなくって
泣けたらどんなにラクだろうと、
その日は一日中、授業を聞いていても、どうやったら泣けるか、
そんなことばかり考えていた気がする。



ふらふらになりながら、1人で帰っていった気がする。
家路を辿る足取りが重かった。
鉛で体重がいちいち沈み込むみたいだった。




我らがかつて住んでいたマンションへ、裏から入る。

すると、6階のベランダから友達が私を呼んだ。
今からそっち行くわああああああ!!!って。
彼女は朝の集会で、羨ましいぐらい素直に涙を流していた。



いろんな話を聞きながら、原因不明の突然死が少しずつみえてきた。
マンションのコンクリートには、ケチャップみたいな赤いものが
たくさん散らばっていた。
その付近にカラスの羽根が落ちているのをみて、
二人とも思わず足がすくんだ。



どうすればいいのか分からないまま、
友達に導かれて、気付けばあなたの家の前にいた。
友達のお母さんも来ていた。
あんな気丈なひとが、私達の目の前で泣いていた。
あなたが棺に入れられて、雑然とした部屋から運ばれて出てきた。


数週間前に、トイレを借りたあの家が。。。
あんなに温かく明かりが灯って、あんなにいい匂いがしたのに。
今では誰も住んでないみたい。
あのときの温度が、部屋の奥から感じられなかった。



お父さんが頭を下げてった。
かわいい弟が涙がとまらない、といった風に部屋を出ていった。
お母さんも泣きながら、頭を下げた。


何も言えずに私達は家の前で泣くしかなかった。
気持ちのわりに、涙は数滴しか出なかったけれど。




あれからお通夜、翌日の告別式、なんだか大人に決められた
しきたりに淡々とのせられ、友情は遥か遠くに引き裂かれてしまった気がしたな。





6月4日。
今日とは違って、真夏みたいに蒸し暑い日だったな。
新品の夏服。
あなたは一度も着ることがなかったね。
こんなもの、ノンキに着ていていいのかと思いながら、
私はその年開設されたばかりのランチルームで、
クラスの誰よりも早いお昼を食べていた。



私はクラスが違うので基本的には告別式には行けなかったのだけれど、
担任の先生にお願いして行かせてもらうことにした。
先生も「お母さんからあなたの名前は聞いていたの。だから
行ってもいいと思うよ。」と言って下さった。



授業を早引きしての、お昼。
だけどちっとも嬉しくなんてなくって、
真夏の陽射しや夏服みたいな、身軽な衣装がまるで自分とは
関係のないよその世界のものみたいで、
ようやく授業が終わって廊下をわめきながら走る上級生の声に
なんでそんな騒げるんだろう。。。。と心が痛くなったものだ。


自分は永遠にそんな世界には戻れない、と思った。



時間が余ったので、慌てて手紙の続きを完成させようと急いだ。
でも何を書いたらいいのかが分からなくて。。。。。
さっき、英語の授業中に書いていたら、怒られた。
英語の授業はいつもマジメに聞いていたのに、
今回ばかりは時間がないと、焦っていた。



外は梅雨を通り越して、初夏が訪れたんじゃないかと思うほどだった。
新しいランチルームに、白い光が差し込んでいた。
生徒たちの白いシャツが反射して、私の目には痛かった。
緑が若く活き活きと萌えていた。


お昼の放送が鳴り出した。
これでもか、というほど爽やかな曲だった。
私の当時好きだったZARDの曲だった。





★.。.:*・゚★.。.:*・゚★.。.:*・゚★.。.:*・゚★.。.:*・゚★.。.:*・゚


私はあなたが思ってる様な人では
ないかもしれない
でも不思議なんだけど
あなたの声を聞いてると
とても 優しい気持ちになるのよ

このままずっと 忘れたくない
現実(いま)が思い出に変わっても
言葉はないけど きっとあなたも
同じ気持ちでいるよね

人と深くつきあうこと
私もそれほど
得意じゃなかった
でもあなたをみていると
私と似ていて
もどかしい

そういうところがたまらなく好きなの
ビルの隙間に二人座って
道行く人を ただ眺めていた
時間(とき)が過ぎるのが 悲しくて
あなたの肩に寄りそった

My dream Your smile
忘れようとすればする程 好きになる
それが誤解や錯覚でも・・・
心を開いて

どんなときも あなたの胸に
迷わず飛び込んでゆくよ
Your dream I believe
ときめいてる 心を開いて



★.。.:*・゚★.。.:*・゚★.。.:*・゚★.。.:*・゚★.。.:*・゚★.。.:*・゚



まるで私の気持ちを代弁してくれているんじゃないかと
思わず背筋が凍りつくほどの衝撃だった。
放送を背に、しばらく固まって動けなくなるほどだった。


溢れるほどの最後の言葉を、紙に殴り書きした。




告別式会場へと向かう道は、本当にカンカンと音が鳴るかのような
照り具合で、私の気持ちなんてちっとも察してくれないんじゃないかと
思うほどのハイテンションな快晴だった。



会場の奥には、すっかり私なんかとの友情を忘れてしまったみたいに
冷たい雰囲気のあなたがいた。
どこにいってしまったんだろう。。。。
もう会えないのかな。。。。。
ううん、きっとまた、会えるよね。



自分にそう言い聞かせた瞬間、
今まで泣けなかったぶんの涙が、自分が崩れてしまうんじゃないかと
思うほど、したたり落ちた。
一緒に登校していた友達と、帰り道も嗚咽で喋れないほど、
泣きながら帰った。







あれからちょうど12年。






実は私、ずっとずっとつらかったよ。寂しかったよ。
何年も何年も、忘れられなかったよ。
あまりの突然すぎる出来事で、さよならも言えなかった。
急にあなたが冷たく無口になったようで、怖くて悲しかったよ。


何かにつけて、ずっと思い出していた。
何年も、ずっと毎日毎日思い出していたよ。
恋をしていても、友達関係で悩んでいても、
それ以上にあなたのことを考えていたよ。
あなたみたいに死んだらラクかな、なんて考えた日も何度かあった。
だけど、あのときの自分の気持ちや家族のみんなの姿を思い出して、
なんとかこの世にくいとどまっていたら、
いつの間にか元気な24歳になっていたよ。




今でもあの場所に行くと思い出す。
『心を開いて』のメロディと共に。
だけど私だけあなたのこと一方的に想ってるみたいで、
叶わない片思いみたいで、切なくなるんだ。

そうじゃないことを願っているけれど。





去年の今頃、そろそろ命日だなぁって、
またこのメロディと共にぼんやり考えていたら、
突然カーラジオでZARDの坂井泉水さんの訃報をきいて
衝撃を受けた。


ZARDは昔からとても好きなバンドで、親しみを持っていたのに。
特に「心を開いて」は、特別な歌だったのに。


彼女の突然の死因が、あなたと全く同じだったことに驚いたよ。
なぜそんなことになったのかという、理由が不明な点までそっくり。
なんだか運命めいたものを感じてしまう。



だから、去年も日記に記そうと想ったのに、
去年はリアルに想いが蘇りすぎて、とても書ききれなかった。






12年という月日はあっという間に過ぎ去ってしまったけれど、
だんだんあなたのことも思い出さなくなってしまったし、
思い出しても悲しくなることがなくなった。
命日がきても、今までのような心苦しさは、なくなってきた。
これがきっと当たり前のように、私が生きている間、巡っていくのだろう。

やっと傷が癒えたのかなぁ。


だけど、私にとってそれはとても寂しいこと。
これはかなりの時間が経ったという証拠なのかもしれない。
月日の流れを、私自身の変化じゃなくて、
私の感情の変化で感じ取るなんてね。
それが大人になるということなら、なんだか少しかさついた、
虚しいものだなぁ、なんて思う。




昨日も、一緒に語り合った当時のマンションの前を通り過ぎたよ。
あなたの命が終わった場所。
手を合わせてきたよ。
あなたは帰ってきたのかなぁ???





私の記憶が薄れたら、あなたの生命の灯がおぼろげになってしまうから
なるべくリアルに覚えていたいと思う。
だけど、感情はだんだん冷静になっていく。
ごめんね。。。。

あんなに受け止められない日々が続いたのに、
もう思い出にしてしまう私で。
あなたが聞いたら、悲しむよね。




やっとやっと、友達が突然この世からいなくなるという衝撃が
私の中から薄らいだのに、また最近、ここにも書いたように、
亡くなってしまったひとがいる。


もう嫌だなぁ。
彼らはどこにいるんだろう??
もうこんな思いは、勘弁だよ。
これから一体どれだけこれを繰り返していくんだろう。。。。。






せめて自分が生きている間は、
たくさんたくさん思い出そうと思う。彼らのことを。
これからも、あなたのことは、6月3日になると、思い出すのでしょう。





また会える日まで、私はそろそろ大人になる準備をしなくちゃね。
それまで、見守っていてね。
あの日の笑顔のままで。



                       聖美


                

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